体の悩み

女性に多いクラミジア感染症 | 発症と進行について

感染症の中でも特に女性によくみられるクラミジア感染症。
どの様な症状と進行をするのか考えていきましょう。

クラミジアって何?

 

クラミジア属のうちChlamydia trachomatisを病原体とする性感染症(STI(STD))である。症状が非常に軽い為、自覚症状を認めないことが多く放置されやすい。そのため感染が長期化して、不妊や異所性妊娠の原因となる。近年若年者を中心に感染者が多くSTDの中で最多である。

 

要点
  • 発症:(女性の場合)性交後1~3週間より
  • 帯下増量、不正出血、下腹部痛
  • 不妊・異所性妊娠

→性器クラミジア感染症を考える。
確定診断は、抗原検査法としての遺伝子診断によって行われる。
【治療】
抗菌薬:マクライド系、キノロン系、テトラサイクリン系
※β-ラクタム系は無効、妊婦ではマクライド系を用いる。

 

補足事項

  • 自覚症状に乏しい為感染が拡大している。16歳~25歳の男女の5%が感染しています。
  • 咽頭感染も多く、咽頭感染例は性器感染よりも難治性であることが多い。
  • 遺伝子診断法にはPCR法・TMA法・SDA法などがある。
  • 抗原検査法としては遺伝子診断の他に、EIA法(酵素免疫検査法)などがある。
  • 治癒判定は、病原体の陰転化をもって行う。
  • 淋菌など他のSTI(STD)と合併していることが多い。

 

どうして気が付かないんだろう?

感染と進行

感染後、子宮頸管炎に始まり上行性に感染が進行していく、宿主が感染に気付かない間に炎症が進み、不妊をはじめとする様々な合併症をきたします。
感染が上行し、骨盤内炎症性疾患(PID)を起こしても炎症は軽いことが多いです。
卵管炎が長期化すると不妊の原因となります。

STI:Sexually Transmitted Infections
STD:Sexually Transmitted Diseases

卵管妊娠と卵管性不妊

女性のクラミジア感染は自覚症状がない為、感染が長期化して不妊・異所性妊娠を招きやすい。
不妊を訴え、婦人科を受診することで感染が判明することがあります。
卵管内腔の上皮細胞がクラミジアによる炎症によって障害を起こし、輸送能力が低下している。その為、受精卵が子宮に運ばれず、卵管内で着床してしまいます。
血清抗体価は癒着の頻度と相関する為、不妊症のスクリーニングとしては有効であると報告もあります。

肝周囲炎

炎症が骨盤腹膜炎よりさらに上行し肝周囲に至ると、肝周囲炎をきたします。
激しい上腹部痛を訴え、産婦人科ではなく救急外来や一般内科を受診することも多いです。
疼痛の部位や炎症所見から胆嚢炎と誤診されることもあります。

妊婦のクラミジア感染

産道感染により新生児に感染し、新生児肺炎や新生児結膜炎をきたします。
妊娠中には、流産・早産の原因となることが多いです。