体の悩み

不育症の概念と原因について | 妊娠はするけど生児を得られない

不育症の概念

妊娠はするが、流産・死産を繰り返し生児が得られないものを不育症と言います。
流産が2回以上連続するものを反復流産、3回以上連続することを習慣性流産と言います。
これらは不育症に含まれるものであり、死産を含む不育症の方が広い概念です。
不育症には回数による明確な定義はありませんが、2回以上の流産または死産の既往があれば、不育症として扱われることが多いです。

不妊症と不育症

不妊症と不育症は、いずれも希望があるのに生児が得られないという点で共通しています。
着床(妊娠の成立)が得られたかどうかが、定義上の大きな違いです。
着床を判断できるのは、hCG陽性反応がでた時点です。
着床後の極早期(妊娠4週未満)の流産を繰り返していても、着床したかどうかが判定不能なので、不妊症として扱われることが多いです。

  • 死産は、妊娠12週以降の死児の娩出の事。
  • 後期流産は死産に含まれる
  • 生化学妊娠は、血中あるいは尿中のhCGは検出される。
  • 臨床的妊娠(GSの確認)に至らないものを現状では不育症として扱われない。

習慣流産

繰り返すには理由があるの?

自然流産(流産から人工流産を除いたもの)は、1回の妊娠当たり約15%と一定の頻度で起こるものです。
妊娠したことのある女性の38%が経験しています。
よって流産自体が病的なものではありません。
自然流産の1回の頻度を15%とすると0.34%の頻度で3回連続の流産を経験する女性もいます。
このことから、連続する流産を経験する夫婦の中には、偶然ではなく何らかの原因があって流産を連続していると考えられ、反復流産・習慣流産・不育症といった疾患概念でとらえる必要があります。

  • 無治療の場合、流産2回後の次の妊娠での流産率は23%
  • 臨床的には反復流産の時点で検査・治療が望ましい。

 

不育症の原因

胎児の発生あるいは、母体に異常をきたす病変(疾患)は、不育症の原因と考えます。
配偶子形成から受精、妊娠維持、分娩に至るまでの過程での原因が関連します。
不育症と関連が強く、主な原因と考えられているものは、夫婦染色体異常・子宮奇形・抗リン脂質抗体症候群です。

不育症の原因と割合

  1. 抗リン脂質抗体症候群:2%
  2. 偶発性抗リン脂質抗体:7%
  3. 夫婦染色体異常:10%
  4. 子宮奇形:5%
  5. 内分泌異常:5%
  6. 原因不明:25%
  7. 混合:4%

こちらの頻度は、ある集団を調べた1つの研究結果です。
個々の原因の頻度は調べる集団によって左右されます。平均年齢の高い集団であれば、胎児染色体異常が増え、流産回数の多い集団であれば胎児染色体異常の頻度は減少します。

女性年齢と流産率

高齢になるほど流産率が上がる

妊娠1回あたりの流産率は30~34歳の女性で15%ですが、年齢が上がるにつれて流産率は上昇します。
若年層(20歳以下)では人工中絶の数が多く、流産率が高くなりますが、自然流産のみで考えると加齢とともに上昇します。

不育症の治療と方針

不育症の治療には、まず検査によって原因を特定することから始めます。
夫婦を検査しても多くの症例で原因特定が困難なこともあります。
不育症においては、絶対的不育症の因子は見つかっていません。この因子があると必ず流産になるというわけではなく、治療をしなくても一定の確率で生児獲得が可能です。

方針は医師と相談!

それぞれの因子で治療によりどれくらい生児獲得率が上がるのかを考慮し治療を検討しましょう。
検査を開始する段階から、原因が必ずしも判明するわけではありません。
慎重に検討しましょう!

不育症・不妊症の原因は性感染症にもある

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