子宮内膜症とは?

何らかの原因により、子宮内膜様組織が子宮腔内面以外に生じた疾患です。
子宮周囲(Douglas、卵巣、腹膜)に発生することが多いです。疼痛、不妊を主とした症状を呈します。
どんな症状か
- 好発:性成熟期(20~40歳代)の女性。
- 不妊、月経を重ねるごとに増強する月経痛、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛がみられる。
- 内診・直腸診にて子宮後屈、子宮可動性の制限、Douglas窩に圧痛を伴う硬結を触れる。
- エコー、MRIで卵巣腫大(チョコレート嚢胞)を認めます。
- 原因不明の不妊
- 血中のCA125の上昇が認められます。
治療方法は?
年齢、症状の度合い、病変部位、重症性を総合的に判断して治療方針を決めます。
- 薬物療法
LEP(低用量ピル):低用量エストロゲン
黄体ホルモン:プロゲスチン製剤
GnRHアゴニスト
ダナゾール - 手術
保存手術:病巣除去、癒着剥離
根治手術:子宮全摘出
チョコレート嚢胞とは?
卵巣の子宮内膜症に起因する嚢胞。
類腫瘍病変ですが、真性腫瘍の可能性も否定されていません。
内容はチョコレート様ですが、褐色水様の場合もあります。
類内膜腺癌や明細胞腺癌などの悪性腫瘍を伴うことがあります。
補足
子宮内膜様組織の発生機序については、子宮内膜移植説や体腔上皮化説などの説がありますが、いまだに解明されていません。
子宮内膜症ではCA125が上昇することがありますが、感度が低く特異度も高くありません。
従来、子宮内膜症は子宮体部筋層に発生する内性子宮内膜症と、子宮外に発生する外性子宮内膜症があります。これらが近年別の疾患として考えられています。
生理の回数と関係があるの?
発生リスクの増加
エストロゲン分泌量の増加や、腹腔内に逆流する月経血の増加により、子宮内膜症の発生リスクが上昇します。
そのため、早い初経、月経周期の短縮、過多月経がリスク因子となります。
社会的にも生理の低年齢化、晩婚化、少子化が進んだことにより子宮内膜症が増加しています。
入院期間と手術費用について
入院期間については5日程度の入院が一般的です。
- 入院
- 手術
- 検査
- 経過観察
- 退院
費用は?
手術の種類によって異なりますが、おおよそ50万円くらいのところが多いです。
ここから自分の保険の割合に応じた費用が自己負担となります。
3割負担の方であれば窓口での支払いは15万円です。
高額医療費に当てはまるのでもう少し自己負担は抑えられます
女性特有の保険に入っているれば保険金がおります。入院費についても適用されるかな
まとめ
肉体的にも精神的にも経済的にも負担が多い子宮内膜症。
よく相談して受診をしましょう。