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ガン治療患者の悩み | 大学病院ってガン治療にメリットあり?

入院ベッド数が1,000床を超える大学病院もありますが、どんな病気のどんな病期(病気の進行度合い)でも大学病院やがん専門病院を受けるべきか?というと、そうとも言えません。

すべての患者さんが大学病院やがん専門病院を手当たり次第に受診した場合、仮に病院が診療を希望する患者さん全員を診療したとしたら、どんなに大きな病院でも、入院ベッド数が多い病院でも、必ずパンクしてしまいます。

本当に大学病院などでしか診療できない患者さんが、常に満床のためという理由で、診療を断られることになってしまいます。

ガン治療患者の悩み | 大学病院ってガン治療にメリットあり?

大学病院やがん専門病院は社会的資源でもあり、適切に利用しないと、社会的損失につながります。

ゆえに、軽い症状や、慢性疾患の場合はまず近くの診療所やクリニックを受診するべきです。

そこで、限界があれば、紹介状を作成してもらい、しかるべき病院に紹介してもらうべきだと思います。

そもそも、大学病院やがん専門病院で診療を受けていれば、患者さんは常に満足なのでしょうか?

残念ながらそうではないと思います。

ただし、大学病院の医師は、臨床(診療)まだ一人前とは言えない医師や医系スタッフの指導、研究、学生の教育等をしなければならず、大変忙しい現実があります。

大学病院の実情を見れば、ひとりひとりの患者さんに長時間を割くことは難しいと感じます。

もちろん、大学病院勤務の医師も丁寧な診療をしたいとの志はあると思うのですが、それを許されない現状があるのです。

大学病院ブランド

多くの患者さんは、大学病院やがん専門病院に対してブランド性を感じていると思います。

実際、ブランドに適った最新医療研究や科をまたいだ医療の情報交換は行われています。

とはいえ、医療は最終的には、患者さんと医師・スタッフという人間関係です。

命にかかわるがん患者であればなおさらでしょう。

ヒトとヒト同士で合う、合わないというデリケートな面も、それが理由で特定の医師の診療を受けたくない、病院を替えたいという話も出てきます。

大学病院や専門病院の医師もそれぞれに患者と向き合う努力をしていても、職場の就業規則もあり、個人の思うように自由に何でもできるわけではありません。

患者さんの希望をすべて叶えたいと思っても、それが出来ないケースもあるのです。

例えば、何らかの自由診療を大学病院以外で受けたいと患者さんが希望された場合、医師は充分に考慮し、大学病院で受けている標準治療に悪影響が無ければ同意するでしょう。

自由診療が標準治療効果を減弱させたり、重大な副作用が出た場合、自由診療治療と標準療法のどちらが原因なのかを特定できない場合は、標準治療を止めなければならないこともあり得ます。

結果、患者さん側の不利益になり、継続していれば効果があったかもしれない大切な標準療法の選択肢の一つを失う可能性もあるのです。

自由診療は悪いのか?

自由診療が100%悪いと言っているわけではありません。

逆に自由診療だからこそ、国際的に有用性が承認されているにも関わらずドラッグラグ(注:国際的水準では有効性が認められているのに、日本ではまだ健康保険適用未承認の状態で時間差がある)のために健康保険適用で治療を受けられないという場合には、非常に有効なひとつの手段だと思います。

その場合は、支払われる医療費は完全に自費で全額自己負担になります。

また、抗がん剤の量も、例えば副作用が出やすい体質の患者さんのが「最初から3分の1の量で受けたい」と申し出ても、「当大学病院ではその薬の投与量では治療できません」と断られる場合があります。

これは、抗がん剤を少なくすることで副作用が減少しても、病院として国際的基準に照らし合わせ、その投与量では科学的に効くかどうかが分からないという理由から是認できないという話です。

医療のさじ加減は、健康保険適用の治療方法で有効であればあるほど、縛りがあります。

例えば、肺腺癌と診断されて、がん細胞のEGFR(上皮成長因子受容体細胞増殖が促される情報ががん細胞内で伝達されるアンテナ)遺伝子でT790M遺伝子変異陽性の場合はタグリッソ(オシメルチニブ)を使えますが、T790M遺伝子変異が無い場合は健康保険適用にはならないのです。

このように、特に大学病院やがん専門病院では何でも好きなように抗がん剤の選択や投与量を決めることはできません。

健康保険診療であれば、特に縛りが厳しくなります。

国民皆保険制度を維持していくためにも、検査結果に伴う、ルールに従った適切な治療方法の選択が必要ですから、仕方のないこととも言えます。

こうしたことから、大学病院やがん専門病院のみでは満足のゆく治療を受けられないとの印象を持つ患者さんもいます。

がん治療における主治医と患者との関係

医療が最終的にはヒトとヒトとの関係であることは前述しました。

とりわけがん患者の場合は、医師とスタッフ、そして患者さんと家族がチームとなって病に向かっていくべきです。

そのためにも、今通っている病院の主治医との関係は、是非とも大切にして、通院継続していただきたいと考えます。

もちろん、我慢ならないほど不誠実なことがあるなどの場合は速やかに病院を変えるべきですが、多くは前述した組織の事情によるところもあります。

その点も理解していただいて、主治医との心ある関係を築けるとがん治療は一歩進みます。

その上で、主治医の治療プランがより効果を上げる治療法にトライしてください。

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